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知っておきたい!理学療法士の仕事の苦労や悩みって?

医療施設を中心として、介護施設や福祉施設、スポーツ分野に至るまで、リハビリテーションの専門家として様々な場所で活躍している理学療法士(PT)。現在、理学療法士を目指して勉強中の学生さんにとっても、一度社会人経験を経てから専門学校に通い始めた方にとっても、理学療法士の仕事がどれくらい大変なのか、知りたいところですよね。
理学療法士が抱える悩みや苦労は、一体どういったものがあるのか、具体的な例を挙げながら紹介していきます。

理学療法士の仕事はここが大変!

体力勝負の仕事です

理学療法士といえば、リハビリテーションの専門職です。自分で自由に動くことのできない患者さんや、高齢者の方々に対してリハビリの介助を行うことが基本的な仕事となりますので、身体全体を使った肉体労働になるのです。トレーニングやストレッチ、移動の際に患者さんの身体をしっかりと支えるときなどに、理学療法士が体力不足であれば、そのまま患者さんの不安へと直結します。理学療法士は心身ともに健康で、体力的にもタフであることが求められるのです。

常に勉強を怠らない姿勢が必要

養成学校を卒業して、実際に現場で働いてみると、基礎的な知識だけでは全く追い付かないことを肌で実感することになります。患者さんの症状も、身体の動作も十人十色であり、たとえ同じ病気であっても、必ずしも同じ治療プログラムに効果があるとは限りません。基礎となる知識・技術を組み合わせながら、様々なケースに対応できる応用力を培う必要性があります。
また、医学が日々進歩しているように、リハビリ分野においても、効果的な治療法が生まれるなど進歩を続けています。理学療法士は、常に新しい知識や技術を吸収して、その専門性を高めていかなくてはなりません。勉強を怠らず、新しい知見・知識を得るための「探求心」が必要と言えましょう。

結果を出すまでには時間がかかる

リハビリテーションは、即時効果のあるといったことはほとんどなく、数か月から場合によっては数年の月日を費やして、ようやく改善が見られるといったケースもあります。熟考を重ね、最善と思われる治療や訓練を実施しても、その効果が出るのがずっと先になってしまうことも理解した上で、根気よく治療を続けていく意志の強さが必要とされるのです。自分が熟考を重ねたリハビリのプログラムも、患者さんの症状の変化と共に、その都度改善していかなくてはなりません。それだけの努力をして、必死に頑張っても、満足いく結果が得られない……といったことも現実に起こり得るということが、理学療法士にとってはとても辛いことではないでしょうか。

コミュニケーション能力が大切

担当している患者さんとの交流は勿論、ご家族の考えにも理解を示しながら、双方の意見に耳を傾けることには、非常に神経を使うところです。どれほど技術的に優れて豊富な知識を持った理学療法士であったとしても、実際にリハビリに取り組む患者さんが積極的にならなくては、意味がありません。信頼関係をちゃんと築いて、二人三脚でリハビリに臨むためには、患者さんのモチベーションを引き出すようなコミュニケーション能力が求められます。また、医療チームの一員として医師や看護師と連携をとる際にも、相応のコミュニケーション能力は不可欠なものであると言えます。

理学療法士は知名度が低い?

医療・介護職の中でも、リハビリ職である理学療法士や作業療法士の知名度は、医師や看護師といった他の医療従事者と比べて、正直低いと言わざるをえません。PTとOTの違いなどは、一般の方はほとんど知らないのではないでしょうか。リハビリについては認知していても、理学療法士という職業への理解は、まだまだといったところが現状と言えます。
とはいえ、高齢化が進む現在、地域社会への積極的な参加や介護技術の講習会といった企画の実施で、一般市民の方々への理解や、理学療法士の認知度向上の為の努力も行われているようです。

医療分野と介護分野では、違った苦労がある?

理学療法士の活躍する職場は、その多くが医療施設などになりますが、介護分野や福祉施設で働く理学療法士も増えてきました。勤務する場所によって、また違った苦労があるのでしょうか。

医療分野での苦労
大きな病院であれば、毎日のように新しい患者さんの治療を始めるようなケースもあり、急性期病院などの患者さんは、非常に回転率が高く、目まぐるしく入れ替わる患者さんの対応をしなくてはならない以上、いかに短い時間で適切な対応ができるのか、といった判断力などが求められます。その分、体力も神経も使うのは当然と言えましょう。但し、様々な患者さんと接することで、多くの症状に対応することになりますので、貴重な経験を積むことが可能となります。
介護分野での苦労
介護施設や訪問リハビリテーションでは、劇的な改善が難しい高齢者の方々の対応が中心となります。複合的な疾患を持ち、症状が非典型的な方も多く、柔軟な考え方や豊富な経験、視野の広さなどが求められるため、キャリアの浅い理学療法士はとくに苦労してしまうことでしょう。多くの同僚がいる病院と比べて、悩みなどを相談する相手が少ないというのもネックです。実際、介護分野で働く理学療法士は、ある程度成熟したキャリアを持った人が多いようです。

理学療法士ならではの“達成感”

今まで説明してきましたように、理学療法士として働く上での苦労や悩みは多くあります。患者さんと共に、根気よくリハビリを行うために必要な努力、体力や精神力は、生半可なものではありません。だからこそ、努力が実って結果に繋がったときの達成感は、他では味わえないものです。患者さんに笑顔で「前と同じように動けるようになった、ありがとう」と感謝の言葉を頂けると、全てが報われたような気持ちになるはずです。

まとめ
これから理学療法士を目指している方の中には、今回紹介したような苦労や悩みなどに対して、不安を感じてしまった人もいるかもしれません。患者さんと直接触れ合い、時には二人三脚で目的の為に努力する以上、確かに多くの困難もありますが、その分大きなやりがいを感じることができるのが理学療法士の仕事です。患者さんとの信頼関係を築き、苦楽を共にできるような素晴らしい理学療法士を目指して、ぜひ頑張ってくいきましょう!