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「理学療法士になりたい」資格は?難易度は?学校は? さまざまな疑問にお答えします!

リハビリテーションの専門職として、様々な分野で活躍する理学療法士(通称PT)。実際に病気や怪我などでリハビリを経験した時など、理学療法士のお世話になって「私もいつか理学療法士になりたい」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、理学療法士になるためのプロセスをご紹介していきます!進学先を大学か専門学校かで迷われている方も今回の記事をぜひ参考にしみてください。

理学療法士(Physical Therapist)について

理学療法士と聞いて、リハビリ職、運動を指導する人といったようなイメージはあっても、具体的にどのような仕事をしているのかといったことは、大まかな部分しか分からない……という方も多いです。本題に入る前に、まずは理学療法士の成り立ちや仕事内容について、おさらいしてきましょう。

理学療法士の成り立ち

1960年(昭和35年)、厚生白書で初めて「医学的リハビリテーション」が、予防・治療とならぶ医療の重要部門として言及されました。3年後の1963年には、日本で初となる理学療法士・作業療法士養成校、国立療養所東京病院付属リハビリテーション学院が開校しております(2008年に閉校)。そして1965年に、「理学療法士及び作業療法士法」が成立しました。翌年には第一回理学療法士・作業療法士国家試験が実施、183名の理学療法士合格者を出し、日本初の理学療法士として誕生したのです。
参考:50年の歴史 | 日本理学療法士協会50周年記念サイトより

理学療法士の仕事とは

Physical Therapist(PT)とも呼ばれる理学療法士は、基本動作能力の専門職です。日常生活の中で基本となる、寝る・起きる・立つ・歩くといったような動作の改善を目指し、運動療法や物理療法などを用いて、対象となる方が自立した生活を送れるように支援するのが主な仕事となります。さらに、怪我や病気後のリハビリだけでなく、身体機能の低下が予想される高齢者の方への予防や生活習慣病の対策、スポーツ選手のパフォーマンス向上、などといったように、その仕事は多岐に渡ります。医療機関のみならず、介護関連施設であったり、スポーツクラブなどで活躍できる職業なのです。
なお、理学療法は医療行為という位置付けになりますので、医師の指示に基づいて行われることが前提となっております。

理学療法士を目指すには?

理学療法士は「理学療法士及び作業療法士法」に基づいた国家資格です。理学療法士として働くには、国家試験を受験し、資格を取得しなければなりません。まずは、受験資格について詳しく解説していきます。

理学療法士の受験資格について

理学療法士の受験資格
1. 学校教育法(昭和22年法律第26号)第90条第1項の規定により大学に入学することができる者(法第11条第1号の規定により文部科学大臣の指定した学校が大学である場合において、当該大学が学校教育法第90条第2項の規定により当該大学に入学させた者又は法附則第6項の規定により学校教育法第90条第1項の規定により大学に入学することができる者とみなされる者を含む。)であって、文部科学省令・厚生労働省令で定める基準に適合するものとして、文部科学大臣が指定した学校又は都道府県知事が指定した理学療法士養成施設において、3年以上理学療法士として必要な知識及び技能を修得したもの(平成31年3月15日(金曜日)までに修業し、又は卒業する見込みの者を含む。)
2. 外国の理学療法に関する学校若しくは養成施設を卒業し、又は外国で理学療法士の免許に相当する免許を得た者であって、厚生労働大臣が(1)に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認定したもの
3. 法施行の際(昭和40年8月28日)現に文部大臣又は厚生大臣が指定した学校又は施設において、理学療法士となるのに必要な知識及び技能を修業中であって、法施行後に当該学校又は施設を卒業した者

引用:厚生労働省「理学療法士国家試験の施行」より

理学療法士の国家試験を受験資格を得るには、必要な知識及び技術を養成校で3年以上学ばなくてはなりません。養成校の種類としては、4年制大学、短期大学(3年制)、専門学校(3年制、4年制)、特別支援学校(視覚障害者が対象)などがあります。
また、作業療法士の資格を持っている方に関しては、養成校で2年以上学べば受験資格が得られます。さらに、外国の養成校を卒業している・外国で理学療法士の免許を取得したという方であれば、所定の手続き後に、厚生労働大臣の認定を受ければ、新たに養成校に入学する必要がない場合もあります。

養成校のカリキュラムについて

それでは、実際に養成校ではどのようなことを学ぶのでしょうか。カリキュラムは一般教養科目、専門基礎科目、専門科目、臨床実習の4種類に大別することができます。養成校それぞれに特色がありますので、“自分がどのような理学療法士になりたいのか”といったビジョンを明確にした上で、大学や専門学校を探すようにしましょう。
なお、2017年12月に「理学療法士・作業療法士学校養成施設カリキュラム等改善検討会」の報告書が公表されました。理学療法士と作業療法士の養成カリキュラムが約20年ぶりに改正され、2020年4月の入学制から適用されることが決定しております。いくつかの改正事項を、ざっくりとではありますがまとめてみましたので、下記をご参照下さい。

・総単位数が93単位以上から101単位以上へ変更
・必修科目の追加
・臨床実習の在り方に関する改正、患者担当型から診療参加型へ
・専任教員の要件の明確化

詳しくは、厚生労働省「理学療法士・作業療法士学校養成施設カリキュラム等改善検討会 報告書」をご参照下さい。

理学療法になるには「大学」と「専門学校」どちらに入学すべき?

それでは、実際に理学療法士の受験資格を得る為に、大学か専門学校か、どちらに入学すべきなのでしょうか。日本理学療法士協会によると、2019年現在で理学療法士養成校は総数266校あるそうです。内訳としては、大学が111校、短期大学が6校、専門職大学が1校、4年生の専門学校が63校、3年制の専門学校が84校となっております。詳しくは、日本理学療法士協会のホームページをご確認下さい。
大学と専門学校の違いについて、幾つかポイントを挙げてみました。ぜひ、参考にしてみて下さい。

大学と専門学校の違いって?

①教育内容の違い
国家試験の受験科目は決まっているため、大学・専門学校どちらも履修すべき授業は全て網羅しております。大学は前提として“学問を学ぶところ”になりますので、専門科目だけではなく、一般教養などの基礎科目も学んでいきます。対して、専門学校は実践的かつ専門的な授業に特化していることが大きな違いになります。
②入試の違い
大学には一般入試以外にも、AO入試や高校推薦であったり、社会人入試などがあります。国立大学・公立大学に関してはセンター試験が必須となっております。どちらかといえば、学力を重視した試験が中心と言えましょう。専門学校は、学力よりも人間性や資質を重視する傾向にあり、筆記試験以外にも、グループ面接といった方法も取り入れているようです。
③校内の設備や雰囲気の違い
敷地の広さや学校としての設備などに関しては、やはり大学の方が勝っております。生徒の人数に比例して教員も多く、福祉関係の学科もあり、違う分野の教員による授業やアドバイスを受けることも可能となっております。但し、理学療法士の教育を学ぶ上で必要となる設備に関しては、専門学校とそれほどの違いはないようです。専門学校の教員は、臨床経験のある理学療法士や作業療法士がつとめているので、より実践的な授業を受けられます。基本的に同世代が集まる大学と比べて、専門学校の生徒は、大学卒業生や社会人経験者などもおり、やや年齢層が幅広くなる傾向にあります。
④就職の違い
理学療法士という観点でみれば、大卒だから就職に有利ということはありません。大学・専門学校問わず、いわゆる“伝統校”を卒業しているかどうかということは、ある程度就職の際に有利になる面もあるようです。また、待遇面や給与に関しても、大卒なのか専門学校卒なのかで初任給が変わるということは、基本的にありません。

大学・専門学校それぞれのメリットとデメリットは?

大学のメリット・デメリット
幅広く学問を学ぶことができ、卒業後には学士を取得できます。大学院へ進学し、修士や博士といった学位を取得して、教員や公務員など幅広く活躍できる可能性も広がるでしょう。デメリットとしては、学費の高さや、自由度が高い分勉強に関しては自己責任という面が強く、しっかりとした自己管理が求められます。
専門学校のメリット・デメリット
実践的な知識・技術の習得に特化しているため、効率的な勉強が可能です。大学と比べて学費も安い傾向にあります。但し、就職先によっては、学歴で判断される場合があり、採用されづらい、もしくは給与面に若干の違いが出ることもあるようです。

結論としては、大学・専門学校どちらを選べばいいかといったことに対する正解はないでしょう。理学療法士を希望する方々それぞれが、ご自身の未来に向けたビジョンを明確にして、それに見合った学校を選ぶことが重要なので、前述した大学や専門学校それぞれのメリット・デメリットを参考にしていただいて、あなたにとって最適な学校を選ぶようにしましょう。

理学療法士国家試験について

ここでは、理学療法士の国家試験の試験内容や合格率について解説していきます。

試験内容は?

①筆記試験
一般問題 解剖学、生理学、運動学、病理学概論、臨床心理学、リハビリテーション医学(リハビリテーション概論を含む。)、臨床医学大要(人間発達学を含む。)及び理学療法
実地問題 運動学、臨床心理学、リハビリテーション医学、臨床医学大要(人間発達学を含む。)及び理学療法
口述試験及び実技試験
重度視力障害者に対して、筆記試験の実地問題に代えて次の科目について行う。運動学、臨床心理学、リハビリテーション医学、臨床医学大要(人間発達学を含む。)及び理学療法

引用:厚生労働省「理学療法士国家試験の施行」より

合格者数・合格率は?

厚生労働省によると、第53回(平成30年度)理学療法士国家試験の出願者数・受験者数・合格者数並びに合格率は以下のようになっております。

  出願者数 受験者数 合格者数 合格率
理学療法士 12,691人 12,148人 9,885人 81.4%
(うち新卒者) 11,520人 11,033人 9,679人 87.7%

参考:厚生労働省「第53回理学療法士国家試験及び第53回作業療法士国家試験の合格発表について」より

上記の表をみても分かるように、現役生の合格率は87.7%となっておりますが、既卒者の合格率は約18.5%と厳しい結果になっております。なお、合格基準は総得点の6割前後となりますが、実地問題で3割ほど得点しなくてはならないため、一般問題と実地問題どちらもバランス良く解答する必要があります。

まとめ
理学療法士の資格を取得することは、それほど簡単なことではありません。上述しましたように、あなたが「どのような理学療法士になりたいのか」といったイメージを明確にして、学校選びやその後の就職先までの道筋を立てていくことが大切です。